ツーリズムはオールリセットされる?コロナ後の観光都市はどうなるのか
コロナ後の変化を探すために、いろいろなニュースリサーチをしており、その中に少し面白いニュースがありました。
そのニュースには、例えばイタリアのベネチアやフィレンツェ、その他アムステルダム、パリなどのヨーロッパの人気観光都市が、今後、どのように変化していくのか?あるいは、変化させないといけないのか?ということが書かれていました。
皆さんもニュースでご覧になった方も多いと思いますが、ベネチアでは観光客が減ったために海水がきれいになってイルカが来た、というニュース。あれ自体はフェイクニュース?という噂もありますが、水がきれいになったことは本当のようです。
オランダでも空気がきれいになっているのは実感できます。
で、もちろん観光業は大ダメージを受けています。数年前にヨーロッパで頻発したテロが、幸いにも今のところ起こっていないアムステルダムでは、ヨーロッパ内の修学旅行先に選ばれたり、以前であれば、ロンドンやパリに行っていた観光客がアムスに来るようになり、ここ数年、観光業は驚異的な伸び率を誇っていました。
余談ですが、皆さんも使ったことがあるかもしれませんが、Booking.comtというサイトがあります。あれ、実はオランダ発のユニコーンで、オランダには莫大な観光業の収入をもたらしているプラットフォームです。すごいのは、皆さんが日本からアメリカ行きの旅行を予約するために、Booking.comを使用すると、Booking.comの売り上げや利益は、全てオランダの観光業の収入とカウントされることです。
ま、これがダッチ式ビジネスだったりするのですが。。。
で、もとに戻ると、このコロナで観光地はリセットさせるべきだ、という論調がニュースでは出ています。もともと近年、アムステルダムなんかはオーバーツーリズムにより、はっきりと「観光客お断り」戦略を打ち出していました。
今、ヨーロッパの人気の観光地は、お土産屋や、ファーストフード、グローバルチェーン店ばかりになり、地元の人はほとんどその地を出てしまう。グローバル資本が資金を投入し、グローバルで従業員を雇い、そこで働かせている。ホテルももちろんこうした構造で成り立っており、観光地になればなるほど、本来の土地の良さが失われていくという悪循環になってしまっている。というのが、コロナ前までのグローバルツーリズムの大きな流れでした。(ニュースによると)もしかしたら日本でも京都や北海道とかなんかも、完全にそうですよね? 九州でも数年前に行った大分の湯布院なんかは、完全にアジア化していた思い出があります。
そして、このコロナはそうしたことをリセットするのに、うってつけなタイミングだと言うのです。
『できるだけアイドルタイムを減らすために、わずか数時間前まで全く知らない人が寝ていた部屋に、消毒しているとはいえ、誰が寝たいと思いますか? こうしたグルーバルチェーンの大ホテルを全て禁止にして、土地にゆかりのある、個性的なツーリズムを提供できるホテルや、B&Bに戻すべきだ。クオリティのある、ゆったりとしたその土地ならではの旅の体験が提供できるホテルに変えるべきだ。そう、このタイミングで観光のシステムをそもそも変えるべきである』という主張がなされています。
一方で、この観光業の大打撃を受けて、逆に中国や、ドイツなどのグローバル資本が、根こそぎ苦境に陥った観光関連を買い漁っていくのではないか? 藁をもすがる思いの観光業を、全部丸呑みするのではないか?という憶測もあり、それに対しては、国がきちんと守るべきだ、という話もなされています。(現実的には、一部はすでにそうなっていた)
今のツーリズムは観光地として人気が出ると、世界中、どの都市も均一化していくという矛盾を抱えており、コロナ前には数々の観光地がすでに魅力を失っていた、と指摘されています。
確かにパリなんかは、「らしさ」がどんどんなくなっていた感じもしました。自分もアムステルダム(の観光地)にはできるだけ行かないようにしていました。まさに京都がそうかもしれませんね。
はい。ということで、観光業にまつわる、こんな視点。コロナ後の観光はもちろん、関連産業やサービス開発にも役に立つかもしれません。大前提としては、ヨーロッパではグリーンリカバリーが提唱されていますので、それと合わせて考えるといいような気がします。
ちなみに、ここ、アムスのちょっと外れにあるワーキングスペース&ワイナリー。 Tuin van BRET
リーマンショック後に、市が開発計画を断念したために手に負えなくなった土地(ただし、グリーン規制あり)を「だったらワイナリーにして、コンテナ使ってサステイナブルなワーキングスペースにしちゃうおうぜ」って言って、市民発のボトムアップで作ったという。最初はアムス在住の建築家Yukiko Nezuさんに連れて行ってもらったんですが、いいでしょ? たぶん、今の季節が最高なんですが。最初はクラウドファンディング で資金を募って、リターンはここでできたワインなんですって。
こんなところがいっぱいあると、その土地ならではの観光地になりそうですよね。
早く、またオランダにも遊びに来てもらえるようになるといいんですが。。。一応、2020/6/15日以降は大部分のEU内の渡航制限は解除されるようですが。
ツーリズムのリセット、参考になるところはあったでしょうか?
私が住んでいる鎌倉もまさに この問題=観害 に直面していたところで、コロナの影響を受け、観光客が激減。
市は、元の活気ある鎌倉に戻そう!とふるさと納税を活用したり、クラウドファンドで、資金を未来の観光客から募っています。ここで何か新しい流れになれば、地元民や子供たちにとってもよりよい街になります。市民発信でサスティナブルな場所が一つでもできたら、と日々考えています。ワイナリー、素晴らしいですね。いつもワクワクする未来を想像させてくれる町づくり、参考にしています。
まずはコメントありがとうございます! こういうコメントをいただけることで、みなさんの知見がこの場で共有されることになるので、とても嬉しいです。もともとご紹介したニュースには、アグリツーリズムなど、一つの旅行自体を長くゆったりと過ごすようなことにして、ツーリズム自体を変えないと(そして、そういうことに対応できる観光地)いけないと書かれていました。バケーションの取り方、働き方なんかも、それにともなって変わるのかな?とか思いました。自分も当時都内に住んでいましたが、中学、高校くらいのころ、夏休みに鎌倉の海に行くのは、ものすごい楽しみでした。鎌倉の取り組み、注目していきます。