もう「バクテリア染め」は、ここまで来ています。ファッションアパレル超大手が、オランダのバクテリア染めのスタートアップと組んでこんなことをしています
このスタートアップは、ロッテルダムにあるBlue Cityという、これまたかなりキテるサステイナブル系のスタートアップばかりが集まっているコワーキングスペースに入居しているliving colour collectiveなるバクテリアを使ったファッションの染色に関わっています。
バクテリアを使った染色は、オランダやヨーロッパではなかなか盛んで、その研究なども多くの機関などで行われています。例えば、Waag SocietyのTextile Labなどが有名でしょうか。この辺は、ヨーロッパ各地のfab labと連携した取り組みだったり、ヨーロッパユニオンから助成金を受けた研究だったりと、サステイナブルへのシフトを促す、EUの戦略に則ったリサーチプロジェクトになっていることが多いです。
ちなみに、このBlue Cityというコワーキングスペース が、これまたなかなかキテまして。実はここはもともとは温水プール。元オーナーが市から再三にわたり、メンテナンスの要請を請ていたにも関わらず、それを無視し続けたために、ある日、突然営業中止に。そして、それがそのまま放置され、やがて廃墟に。その廃墟状態の温水プールに、ホームレスたちが溜まっていましたが、オフィスのない環境&サステイナブル系のスタートアップも同じように溜まっており、だんだんとそのスタートアップの勢力が増してきて、ホームレスには話し合いのすえ退去を願い、サステイナブル系スタートアップのスクワット状態へ。その状態が2,3年続き、昨年ようやく正式に市から使用許可が出た、というなかなかオランダらしいコワーキングスペース。Blue Cityについては、以前、書いた記事がありますので、FINDERSの記事をご参照ください。『放置され廃墟になった「温水プール」がサステイナブルなコワーキングスペースとして大復活したワケ【連載】オランダ発スロージャーナリズム(21)
で、話をもどすと、染色自体をサステイナブルに。っていうか、草木染めではないけど、もともとのサステイナブルな方向に戻すという動きがここでも起こっています。ファッションに関しては、実はサステイナブル・アンフレンドリーな業界なために、それを改善しようと様々な動きがあるわけです。
 
でも、ここで草木染めに限らず、染め物は実は日本でも結構技術が昔からあって、その他、竹細工(竹は注目素材)、木工、和紙…。本来は日本のもっていたサステイナブルな技術は世界に誇るものも多いはずだなあ、と思ったりする人も多いのではないでしょうか? そうなのです。実は世界へ向けてどしどしアピールすれば大脚光を浴びるような伝統工芸にまつわるサステイナブルな技術って日本には、、すごい多いのです。なので「もったいないな〜」と思うのです。
 
もっとアピールできていれば…とか、世界のサステイナブルな事情をわかっていればとか…。時には、こういう技術を持っている当事者に直接話しても、世界の事情を知らないのでビビットな反応が全然得られなかったり。さらに「海外進出ができない」理由を延々と語る人も多かったり。ま、単純に自分が信頼されていないだけかもしれないですけどね。
 
サステイナブルとか、気候変動対策は「何から始めたら分からない」からこそ、「できることなら、なんでもやる」「小さなことから始める」「気づいた人からやる」しかないよな…。日本はSDGsでも愚直にまじめにやるけど、見せ方が上手くない。海外は見せ方が上手い。こんな違いを感じています。
それから、日本では最近おおまじめに「サステイナブルを事業の真ん中に据えて」とか、「サステイナブルは、今までのようにCSRとして行うのではなく、利益を産むモノだと認識を変えて」とか言い出してますが、ヨーロッパではもうとっくにそっちです。
Puma×Living color collectiveもかっこ良いしなあ…。
 
こういうことが、少しづつでも良いので気候変動ストップに貢献できると良いのですが。
インドの洪水、シベリアや北極の異常高温、カリフォルニアの山火事、モロッコの異常高温、日本の梅雨明けの遅さ、その前の大水害、水害は中国も…。いや〜大変な世界になってますね。ついでにコロナも、ですが。
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